美しく、麗しい季節の到来です。ようやく重いジャケットも仕舞い、シャツ一枚で心地よく過ごせるようになりました。新緑鮮やかな近所の川べりを歩くと、陽光のなか、そろそろボート部員たちが汗を流す姿が目に入ってくる。
重厚なシンフォニーやワーグナーを少し脇に置き、久々にリートでも手に取ってみたくなる季節。ドイツ・リートは普段はほとんど聴かないので詳しくはないですが、ハインリッヒ・ハイネの美しいリートの対訳本は昔から親しんできました。なかでもこの季節、「麗しき五月に」は、原詩のドイツ語でも、日本語訳でも、美しいですね。シューマンは「詩人の恋」として20の曲を作曲し、その一曲目にこの「麗しき五月に」が歌われます。この部分だけだと、1分30秒ほどのシンプルな曲で、20曲全部で40分程度でしょうか。16曲のものと20曲のものがありますが、全曲はなかなか聞く機会がありません。
手持ちのCDはトーマス・ハンプソンでピアノ伴奏はサヴァリッシュ。動画では、56年ザルツブルクでのディースカウの演奏に、ドイツ語の原詩と英語訳をつけたものがありました。