grunerwaldのblog

バイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭など、主に海外の音楽祭の鑑賞記や旅行記、国内外のオペラやクラシック演奏会の鑑賞記やCD、映像の感想など。ワーグナーやR・シュトラウス、ブルックナー、マーラー、ベートーヴェン、モーツァルトなどドイツ音楽をメインに、オペラやオペレッタ、シュランメルン、Jazzやロック、映画、古代史・近現代史などの読書記録、TVドキュメンタリーの感想など。興味があれば、お気軽に過去記事へのコメントも是非お寄せ下さい。

2020年06月

 【北京共同】中国国営通信、新華社は30日、全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会会議が同日「香港国家安全維持法」を可決したと伝えた。同法は成立し、香港政府などは公布、施行に向けた手続きを急いだ。香港返還23年に当たる7月1日に施行する構え。今後は国家安全を巡る事案で、中国政府の出先機関による法執行が可能になる。香港では早くも民主派政治団体が解散を宣言するなど、萎縮し始めている。「一国二制度」は瀬戸際に追い込まれた。  香港メディアによると、常務委会議が30日午後、香港国家安全維持法を香港基本法の付属文書に加えることを決め、香港での施行が可能となった。
  2020年6月30日共同通信記事「香港安全法、施行へ」より

香港へは、97年の中国返還後に計5回ほど旅行で訪れている。南国特有の蒸しっとした空気、昔ながらの東洋のエキゾチックさと、現代的な高層ビル群のコントラストも面白く、ちょっとした休みに4日間程度で観光するのにも、九龍島と香港島の狭い地域のなかの要所要所に見どころがぎっしりとコンパクトに詰め込まれているようで、安心して行きやすい海外旅行先だった。宿泊するのは、尖沙咀のゴールデンマイル沿いの外資系のホテルが便利で使いやすかったけど、次に行けたらやはりペニンシュラか、香港島の新しいホテルにも泊まってみたいと思いながら、ここ数年はドイツとオーストリアへの音楽旅がもっぱらになってしまっていて、気がついたら最後に香港を訪れたのは、もう9年ほど前のことになってしまった。たくさん写真も撮影したが、現在のようにSDカードではなかったので、手軽にブログに取り込めないのが残念。他人が撮った写真はネット上に溢れているけれど。

長いあいだ、英国領だったせいもあって(一時日本の統治下にもあったが)、英語と中国語が入り混じった独特のカルチャーがあって、英語に拒絶反応のある日本人からすれば、同じ東洋でも香港は洒脱でハイカラな空気を感じたのではないだろうか。食事はおいしいのはもちろんのこと、ショッピングをするのにも雰囲気のよい高級店も入りやすく、とくにスイス製の高級時計については、ロレックスに限らず様々な人気ブランドの取り扱い店が日本よりはるかに多く、品揃えも圧倒的で充実していた。日本の百貨店では百数十万の値がついていたジラール・ペルゴのラージデイト・ムーンフェイズが、それより3割近く安く手に入れられたのは実に楽しい買い物だったし、ロジェ・デュブイのフラグシップ店の品揃えなどは、1千万円以上どころか、億ほどもするミニッツ・リピーターやダブルフライング・トゥールビヨンなどの高級コンプリケーション・ウォッチがごろごろ展示してあって、ため息が出たのを思い出す。もちろん、出したのはため息だけだったけど、さんざん褒めまくっていたら店員が気をよくしたのか、分厚いハードカバーの美しい最新カタログを記念にとプレゼントしてくれたのは、本当にありがたかった。

香港島のほうも、セントラルの賑わいやトラムで往復するヴィクトリアピークの山上の展望台から見下ろす香港の景色は、日中も夜景も、観光地の風景としては世界でも指折りの美しさと開放感があって、香港に来れば必ずここを訪れずにはいられなかった。トラムでなくバスで山上を往復すると、山の上のほうは高級住宅地となっていて、まぁ、別世界だった。バスでは、南岸のレパルス・ベイにも気軽に行ける。映画「慕情」のロケ地として有名な景勝地だ。市内を縦横に走る二階建てトラムもレトロ感があって観光気分も盛り上がる。こんな楽しく美しい観光地は、アジアの観光地としても最高の場所だと、行くたびに感動していたものである。中国には返還されたが、50年間は一国二制度で高度な自治が保障されていると当時から聞いていたし、事実訪れていた当時は確かに自由があって、寛容な都会の島だった。ただ、中国本土からの人口流入のせいで、マンションの価格が暴騰していて、むかしからの香港住民が隅に追いやられつつあるというニュースは気にはなっていた。

その美しい香港が、こうも無残に破壊されて行くのを目にするのは、見ていて忍びない。暴動で商店が破壊されることだけではない。「自由」だった香港の「精神」が、中央政府の意を受けた警官のゴム弾やこん棒で、叩きのめされて行く。どうして他人事に思えようか。香港を愛した人であれば、涙なしにこの光景は見てはいられまい。戦争や爆撃で、美しい街が一夜にして焦土となって消滅してしまうことは、歴史を見れば各地で起こっている。高校生の頃によく中東情勢のニュースで耳にしたレバノンのベイルートなども、交戦による砲撃で壊滅状態となったが、かつては「中東のパリ」とも言われた美しい街だったと聞いた。しかしいま香港で起こっているのは、美しい街の風景は(大きくは)そのままだが、「精神」が徹底的に破壊されて行くのを、目の当たりにしていることだ。この一年でこうも強権的な手段により、自由な精神がどんどん破壊され、奪われて行く。抵抗していた学生たちも、ついには白旗を揚げざるを得なくなった(ハフポスト記事)。遠く日本からやきもきしながらも、自分としてはなにも出来ないもどかしさばかりが募る。街の景色は前と変わらなくても、「自由」という spirits がなくなってしまった香港に、もはや観光で旅行する気分になれるだろうか?

神々0307


コロナ禍中となった今年3月7日と8日に大津市のびわ湖ホールで無観客で上演されたワーグナー「神々の黄昏」の映像が、びわ湖ホール制作のブルーレイディスクとして発売された。この演奏の模様は、上演日の当日・同時刻に Youtube でライブ配信され、実際にチケットを購入した客数をはるかに超える数万人が視聴したことで話題にもなった。その時の映像は、モニター用の固定カメラ1台だけによる全く工夫のない定点映像のみだったので少々期待外れなものであったが、今回発売のものは、日経新聞の記事によると「動画配信の固定カメラとは異なり、高精細のカメラ3台で別途撮影したものを編集した」とあるので、少しは歌手の表情がわかるアップの映像や角度の工夫も期待は出来そうなので、さっそく注文をした。

びわ湖ホールのHPでの紹介によると、7日と8日それぞれ別売で、DVDではなく、より画質のよいブルーレイディスクのみの発売で、それぞれ1万円の価格設定となっている。なので、7日と8日の両方を注文すると、計2万円となる。単体のブルーレイディスクの価格としてはかなり高額となるが、チケットが全額払い戻しとなって大きな赤字となったコストを少しでも補填するための、半分は寄付の意味合いが大きいだろう。本来ならば、会場の良い席で2日とも鑑賞していたはずの関西での本格的なワーグナー上演、それも「ニーベルンクの指環」の完結編となる公演だったので、まぁ、2万円のうちの半分は寄付だと思っても、この際仕方あるまい。7日はクリスティアン・フランツによるジークフリートだし、8日は池田香織さんによるブリュンヒルデなので、どちらも外すわけにもいかない。

こうした経緯による自主制作の「神々の黄昏」のブルーレイとなるので、それほど大量には発売はされないだろうし、珍しい部類にはなることだろう。7日と8日のキャストは以下の通り。

①、3月7日のキャストによる商品説明
②、3月8日のキャストによる商品説明

アヤコノ

昨日の夜にこのブログで何げなく天才ベース少女の「アヤコノ🧢ただの15歳」さんがジャコ・パス・ヴァージョンの「ドナ・リー」を弾いているツイッター動画を取り上げたところ、今日さきほど出先から帰宅して自分のブログを覗いてみたら、なんと一日で一気に1,400件以上のアクセスがあって、超びっくり!普段のアクセス数で言うと、日に100件もアクセスがあればいいほうなので、突然バズッたみたいで驚いた。調べてみると、ツイッターからのアクセスが多いので、何事かと「アヤコノ」さんのツイッターを訪れてみると、なんと「アヤコノ」さんご本人が、昨夜のこのブログの内容をこちらのツイートで取り上げてくれているではないか!! いやもう、昨日の今日で、速攻でこんな反応がダイレクトにあって、もう思いもかけず大感激である!

はめを外そうにも、こちらはもう「アヤコノ」さんご本人からすれば、親御さんよりもおそらくもっと行ってる「ただの5❓歳」のおじさんなので、ただただ恐悦至極なのである。ただの音楽好きのおじさんのもの好きブログなのに、こんな風に世代を超えて、またツイッターとブログという垣根を超えて触れ合うことができるなんて、なんだか不思議な感覚!音楽を愛していることに、境界はないですねぇ!本当に素晴らしい!

とは言っても、おそらく「アヤコノ」さんほどの才能の持ち主であれば、もうすでに引く手あまたで、色んなオファーも舞い込んでいることでしょう。もしかしたら、もうすでにカウントダウン状態なのかも知れませんね。まだ高校生になったばかりということで、学業とのバランスをどう取って行くかも、今後の課題となるのかも知れません。そのあたりのことは、できればしっかりと両立させたうえで、このずば抜けた才能を、「アヤコノ」さんらしいかたちで、素敵に花開かせて行ってほしいなあ~! ぜ~ったい、間違いない!この先が、本当に楽しみです。 いやぁ、この歳になって、こんな新しい期待が生まれるなんて、本当に感激だ。「アヤコノ」さん、ありがとう!今後の大活躍を、こころからお祈りしています!

(追記:勝手きままに、The person of the Versatility の称号を彼女に贈らせていただくことにしよう!←Joe Pass や ジャコ・パスは The man of the Virtuosity の人だったからねw)

アヤコノ


なにげなくツイッターを見ていたところ、突然ジャコ・パストリアス・バージョンの「ドナ・リー」を思いっきり楽しそうに弾いている「アヤコノ🧢ただの15歳さん」という、ショートカットに帽子姿がキュートな少女の短い動画に巡り合った。少女、と言っても、一見とても中性的な印象で性差を感じさせない風だが、「コロナで休みだけど学校の制服が届きました」というひと月ほど前のツイートの画像を見ると、確かに15歳の少女に間違いはなさそうで。他の演奏の動画もいずれも1-2分ほどの短いものだが、なかなか音感やリズム感もしっかりしていて、ファンキーっぽいノリもとても自然な印象。一目見て、「あ~!このコ、本当にからだじゅうで音楽を感じて演奏してるな」というのが伝わって来て、とても好印象だ。ツイートを始めたのはつい2年前くらいからのようで、この4月くらいのコロナ外出自粛期間あたりの頃から、すごいペースでいろんな曲に挑戦をしていて、日に日に上達して行っているのが見てわかる。15歳で、こんなカッコいいベースをこんなに楽しそうに弾ける高校1年生って、いったい何者?選曲のセンスはいいし、演奏はしっかりしているし、ルックスは中性的だけどとてもチャーミングで爽やかな笑顔が素敵な少女で、惹きこまれる魅力がある。もう、ベースを弾くのが楽しくて仕方ない、っていうのがビンビン伝わって来る。分かる!


「アヤコノ」という愛称と、「番匠彩音」という名前とでググってみると、確かに大阪府枚方出身で、二年前の2017年の夏に中学1年生としてヤマハのコンテストで入賞したことがFBで紹介されている。2年半の短い期間に、まるで別人のように成長していることがわかる。才能あるなぁ。いやぁ、日本もまだまだ捨てたもんじゃぁ、ないなぁ。これからの展開が、とても楽しみな本当のタレントだ。若いって、いいなぁ!それにしても「番匠」って、すごい名前だな。

米ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんの首を圧迫して死亡させ、第二級殺人容疑者として訴追された元警官の名は、Derek Chauvin だった。少々英単語をかじったことがある人なら、Ah! So he's a real Chauvinist! ってなるのに、ピン!と来るだろう。逮捕後の初出廷の模様を様々なメディアが伝えていて、保釈保証金が125万ドルという高額に設定されたことが話題となっている。日本円にして1.3億円以上の保釈保証金ということで、裁判所がこの事件を非常に重要視していることが伝わってくる。


Chauvinist(ショーヴィニスト) というのはナポレオンを狂信的に信奉していたフランス人の Nicolas Chauvin から由来する言葉で、極端で狂信的な排他主義者、自己優越主義者のことを指し、排他的・狂信的愛国者なども Chauvinist として高い頻度で目にする言葉だ。これに fanatic だとか frantic とか fu〇kin' などの形容詞を付けると、それはもう手に負えないレベルの最低糞野郎の狂信的排他的愛国主義者ということになる。主義を指す名詞形では Chauvinism(ショーヴィニズム) となる。この度の殺人犯の名前が、まさか文字通り Chauvin そのものだったと言うことについては、アメリカ人も衝撃を受けているのではないだろうか。言うまでもなく Chavinist などを蔓延らせてはいけない。実に示唆に富む事件である。



NBC NEWS Youtube動画より

本日2020年6月5日GMT05:08現在ベースの worldometer の COVID-19 関連データのまとめによると、アジア太平洋各国(地域)の人口百万人あたりの新型コロナウィルスによる死者数は以下の順。

 

国名

死者数/1M

死者数

テスト件数/1M

1

ミャンマー

0.1

     6

      583

2

台湾

   0.3

     7

    3,052

3

香港

   0.5

     7

   27,084

4

タイ

   0.8

    58

    6,026

5

中国

     3

 4,634

      -

6

シンガポール

     4

    24

   69,864

 

オーストラリア

     4

   102

   61,066

 

ニュージーランド

     4

22

   57,773

 

マレーシア

     4

   115

   17,342

10

韓国

     5

   273

   19,330

 

インド

     5

 6,363

    3,181

12

インドネシア

     6

 1,721

    1,345

13

日本

     7

903

    2,400

14

フィリピン

     9

    984

    3,555

 -

ベトナム

    -

    -

    2,827

 

やっぱ、日本って民度高ぇよなぁ!ほんと、すげぇなぁ!そりゃあ、絶句もされるわなぁ!
※いや、礼賛してるんですからw 誤解ないようにw


参照:麻生太郎財務大臣「コロナ死者数少ないのは『民度』が違うから」
 

このところの全米での暴動に関連してネットであれこれと調べていると、やはりいまの時代はツイッターによる情報発信の影響の大きさは避けられないように感じられる。自分自身は、ツイッターが世に認知されはじめだした頃からもちろん知ってはいたし、手軽に簡単になんらかの情報を発信したり得たい時には身近なツールだというのはわかる。ただ、自分自身からなんらかの発信をするのは、皮膚感覚として明らかな違和感を感じ続けていたので、いまだに相当奥に身を引いた場所から、眉に唾を何度もつけながらも必要に応じて覗いているという感じだ。まず第一に、あまりに安易に当たり前のように使われている「拡散希望」というような言葉の選択のイージーさに、違和感を覚える。宗教改革の時代は、グーテンベルクの活版印刷の普及でそれまで文盲だった民衆の啓蒙につながり社会はよい方向へと向かったと言うのが歴史の真っ当な解釈だと思うが、いまの時代のツイッター上の様々なやりとりを見ていると、何かを考えたり、何かを理解しあうためというよりも、本来なら言葉や文字として表現する必要のないことまでも、てんでばらばらに無駄に社会に発信している結果、社会は混乱に陥っているような印象を受ける。「オペレーション・バベルの塔」のような印象で、社会の崩壊の一因となる懸念を抱いていた自分は、相当頭が固いのだろうか。なによりも、文字や表現を重視したい自分からは、そうした配慮やリスペクトがまるで薄いツールに親しみを感じないのだ。まあ、時代遅れならそれはそれでしかたがない。そんな時代に無理してまで追従して行く気はさらさらない。


と、文字や表現、内容の真偽などへの自分なりのスタンスを表記したうえで、最近目にしたツイッター上の明らかなデタラメ、ガセネタについて、アメリカでは報道機関や自治体が、ちゃんとした検証を行っている事例としてわかりやすいネタが話題となっていたので、日記で取り上げておこう。


発端は、今回の全米での騒乱に関してネット上であれこれと見ていたところ、だれかのツイッターで「黒人逮捕してみたらFBIだったwww(ざっくり和訳してみました)」という日本語のツイッターのリツイートを見かけ、その映像では一人の赤いTシャツの黒人男性が数名の白人警官に後ろ手に身を拘束されながらも大声で抗議をし、ポケットのIDを見ろとどなって警官がそれを確認したところ、警官の態度がすぐに変わって、その場で拘束を解く様子が撮影されている。この動画について、拘束された黒人男性がIDでFBIのエージェントだとわかった途端に警官の態度が豹変しているとして、現地アメリカでも最近になって大きな話題になっていて、現地ミネソタ州ロチェスター市がその日の実際の状況について改めて声明を出したり、ロイターのファクトチェックが、一時拘束されかけた黒人男性はFBIのエージェントというのはデマと言う記事を発表している。


そういうことで、はじめは上の黒人男性と警官のやりとりを面白おかしく関西弁の字幕をつけた動画を見ていたのだが、さすがにこれはあきらかに実際の会話には出て来ない言葉を面白おかしく付け足したうえで、単にギャグ的な笑いを取りたいためだけのでたらめな和訳であることは、すぐにわかった。だいたい、「警察手帳を没収する」とか訳されているところで男性が警官から受け取っているのは単なる名刺であることはすぐにわかるし、1:22のあたりで「まずFBIじゃないでしょ」となっているところは、"You're an innoccent people'" であって、"FBI" なんてひとことも出ていない。この和訳なしにこの2分19秒の動画を最初から注意深くよく見れば、最初にポケットのIDを警官が確認した時点で "wrong guy" と何度も言っていて、単なる誤認逮捕劇の一幕であって、単に黒人男性が警官に身柄を拘束されかけたところ、本人のID確認で逮捕状の出ていた目的の人物とは別人とすぐに判明したと言うだけの事。当然ながら拘束されかけた男性は声を大にして抗議しているのがわかるが、別人と判明した後の警官たちの言動は、求めに応じて名刺を手渡すなど、暴力的ではなく比較的穏当な態度であることが見てわかる。今回のミネソタ州での暴動でこの映像が再利用されているということだが、そもそもこの出来事はほぼ1年も前のことであるらしい。こうしたネットの根拠のない噂にもきちんと責任をもって対処しているロチェスター市の声明を読んでみると、当該の市警察官たちの態度が特に非難されるべきものではない事と釣り合いが取れてるようにも思える。いかに大勢の人間が、単に面白おかしいというだけで、深く内容もよく調べもせずにネットの勢いだけに飲み込まれて流されていることに抵抗感がなくなっているか、考えてみるとちょっとそら恐ろしいではないか。


(追記)こちらのインスタの映像がオリジナルのようで、前後のいきさつが上のツイッターの動画よりも長く撮影されているし、画質や音質がいい。

一週間ほど前に起きた白人警察官による黒人男性ジョージ・フロイド氏への暴行致死の事件を受けて以来、全米の各地では大きな騒動となっており、デモ参加者や鎮圧側の警察官、取材するメディア関係者などに複数の死傷者が発生していることが連日報道されている。TVでは、その発端となったフロイド氏が白人警官に膝で首を押さえ込まれている映像が幾度となく流されているが(まともな人間がやることじゃない)、あまりに痛ましい映像で、とてもではないが一度たりとも正視できずにいる。デモ参加者の多くは肌の色に関わらず、社会の不正義を糾弾する真っ当な主張を非暴力的に訴えているのだと個人的に思っているが、混乱に乗じて店舗の破壊や略奪、暴行、放火などの不逞行為を働いて騒動を故意に過激化させて暴動を煽っている輩が別にいるようにしか思えない。社会を混乱させて政権を転覆させるのはCIAのかつてのお家芸と言われるが、まさか自分の国の転覆を図っているのか。

トランプはこれを絶好の攻撃の機にと捉えたのか、そうした暴動を Antifa を名指ししてのテロだと発言し、対立と混乱を激化させている。Antifa の派生上の一部の先鋭化・過激化した輩が、そうした暴動を煽っていることが考えられないとは言わないが、単純に極左過激派かと言うと、そうでもなさそうな気もする。思想や政治とは無縁のただのアナキストの仕業ではないのか。本来の anti-fascism という原点自体は、民主主義的な価値観とは共通するものだと思うのだが、それを疎ましい存在として取り扱うトランプというのは要するに anti-antifascism であって、つまりは自分でファシストだと開き直って公言しているに他ならない。国のトップがそういうアホだと、人間社会と言うのは残念ながら多数はアホなのが現実でもあるので、抑制が効かなくなって社会全体にアホが蔓延してしまう結果になってしまう。うちらのそこらのアホは、多少のカネと知名度と権力者とのコネがあることでイキがってしまって、ニヤけた醜悪な写真つきで害毒をまき散らす目立ちたがりのネトウヨの医者や作家程度の話しだが、銃社会のあちらのアホはこれ見よがしにおもちゃのアサルトライフルを集団で持ち歩いて示威行動に励む boogaloo boys みたいなのが社会現象になりつつあるようだ(wiki- とか SPLC記事など)。まだよくわからないのだが、コイツらは一体、ただのミリオタ、軍事オタの一種のコスプレ趣味のサークルなのかサバイバルゲームのマニアなのか、本当に極右の過激派武装集団なのかよくわからないが、銃社会なだけに、社会が不安定化するとこうした一種のコスプレサークルの連中から武装民兵くずれが出て来たとしても不思議ではない。こちらの歴史修正主義も目も当てられないが、あちらの南北戦争の亡霊も、根深いものがこびりついていそうだ。

Boogaloo protest

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