第二次大戦でのドイツ敗戦から2年後にオーストリアで生まれ幼少期を過ごした、米映画俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏は自身のツイッターの動画で今月6日に起きた右派暴徒らによる連邦議事堂乱入事件を、ナチス政権下のドイツで起きた「水晶の夜」暴動事件にたとえ、彼ら「Proud Boys」をナチスになぞらえた。

7分40秒ほどの動画によるメッセージの冒頭で自身がオーストリア移民であることについて触れ、「つらい思い出なので今までオープンに話すことはなかったのだが」としたうえで、自分の身近な大人たちが敗戦後、ナチズムに加担した事への自責の念に苦悶して荒れた姿を見て育ったことを打ち明けている。彼ら全員があからさまな反ユダヤ主義者やナチ党員ではなかったにせよ、不寛容と嘘に嘘が重ねられ、日を追うごとに徐々に慣らされていったのだとしている。そのうえで、トランプがそうした嘘で人々を惑わし、先日のクーデター未遂にまで至ったことを厳しく非難し、バイデン氏が次期大統領となったことこそがアメリカの民主主義だとして、バイデン次期大統領を激励している。シュワルツェネッガー氏自身は共和党員だが、共和党員だからと言ってアメリカ合衆国の民主主義の理念を軽視するわけには行かないとの思いだろう。トランプの暗黒の時代は終わり、輝きを取り戻そうと言うメッセージは MAGA よりもはるかに真っ当なものだ。俳優だけに声は聴きやすいし、英語字幕もついているので、教材にするには持ってこいの動画だろう。